Doctoral Scribble

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Avogadroの導入

【導入の経緯】

日々のラボ内の業務で分子の3次元構造を扱う際には、もっぱらGaussView, Chem3D, MO Compactなどにお世話になっているのだが、いずれも有償のソフトウェアであり、(特に私のような苦学生にとっては)そうおいそれとは導入できない。Gaussian 16を日本で購入するとなると、32 bit, Single Coreでさえも$1,000以上を要求されるようだ。ハナシニナラナイ

 

で、別に計算機能はいらないから、ラップトップ上で簡単に3次元構造をモデリングできるようなものが欲しいなぁ、ということで表題のAvogadro[1]を試してみた。

 

【使ってみた】

詳しい使用法は他の先輩諸氏に譲るとして、実際に使ってみた際の所感を書いてみる。操作法はとても単純で、ぶっちゃけ最低限の機能ならヘルプ等に頼らなくても大丈夫。ペンのボタンをアクティブにした状態で、左クリックすれば原子が追加されていく。"Adjust Hydrogens"のチェックを入れておけば、水素の数もAvogadro側が勝手に補完してくれる。

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ただ、ひとつひっかかったのは、炭素鎖を伸ばしたいときの操作法だ。MO Compactの感覚が染みついているので、つい水素をクリックして炭素鎖を伸ばしたくなるのだが、Avogadroの場合は炭素から結合を伸ばしてやらないといけない。結合するのは炭素と炭素だから、という考え方でこういうシステムになってるのかな?

 

Auto Optimization Toolなる機能も用意されており、分子動力学計算も行える。さすがにsemi-empiricalやab initioを求めるのは無理があるし、そもそもスペックの高が知れているラップトップ上で動かすことが当初の目的だったから、まぁそれでOKだろう。あくまで、極端な結合長や結合角を最低限修正するための機能として使えればよい。

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AlgorithmはSteepest Descent(最急降下法のことだろう)やMolecular Dynamics (300K)などが選べる。前者はかなり短時間で計算が済むが、後者はいつまでも変角や結合の伸縮を繰り返してしまい、なかなか停留点に落ち着かない。たぶん計算方法の指定がまずいのだろう。もっと勉強が必要だ。

 

【まとめ】

とりあえず、使い始めはこんな感じ。PC CHEM BASICS.COM[2]様によると、GaussianのInput fileなども作成可能なようで、これはとても魅力的だ。計算用のPCでやれば済む話なのではあるが、外出先で「ちょっとこれやってみたい」という時には有用だろう。

そしてブログのエントリを1つ仕上げるというのは、かなり大変ということが分かった。もうちょっと省エネ執筆できないものか。まぁ、そのうち慣れるだろう。あまり気にしないことにする。

 

【脚注】

[1]: https://avogadro.cc/

[2]: http://pc-chem-basics.blog.jp/archives/396177.html