どくとる・めも

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【漢検】読み 1【準一級】

図書カードが余っていたのと、語彙力を増やしたいという欲求とが相まって、漢検準一級の問題集を買ってしまった。

準一級というだけあって中々に歯ごたえのある単語が並んでいて、逐一辞書を引きながら勉強するとかなり時間がかかるが、実際に受験して準一級を取得しようともくろんでいるわけではないので気楽に行こうと思う。

今回は「読み」の問題から、新しく学んだ単語達を紹介。

1. 人の云為を論う。

云為(うんい)とは言葉と行為、言行のこと。

2. なかなかの尤物ともっぱらの噂だ。

尤物(ゆうぶつ)は、優れたものや美人を指して使う語。統計学の分野では「最尤(さいゆう)」といった言葉をよく見かける。

3. 禾穀の豊熟する秋を迎えた。

禾穀(かこく)は、稲、麦、稗(ひえ)、粟などの穀物の総称だが、単に稲を意味する場合もある。

4. 郁郁として春のごとくに暖かなり。

郁郁(いくいく)は、文物や文化の盛んな様を意味する。人名としてもたまに用いられる感じなので、読み自体はそこまで難しくないかも。

5. 己の檮昧を恥じる。

檮昧(とうまい)は、愚かで道理に暗いこと。

6. 世界最大の潟湖として知られる。

潟湖(せきこ)は、砂州サンゴ礁により外界と隔てられた水域を指す。ラグーンともいう。「がたこ」ではない。

7. ご清穆の段お慶び申し上げます。

清穆(せいぼく)は、清らかで和らいでいること。なお、例文の「ご清穆の段お慶び申し上げます」は、手紙文で用いられる定型文であり、相手の幸福や健康を祝う語。

8. 敢えて警世の禿筆をふるう。

禿筆(とくひつ)は、禿げた筆と書いてある。すなわち自身の文章や筆力を謙遜して言う語である。ちなみに「警世」は世間の人に警告を発すること。

9. 爾汝の交わりを結ぶ。

爾汝(じじょ)は、「お前」や「貴様」のように遠慮なく呼ぶことを指す。「汝」は「なんじ」とも読めるが、「爾」もまた「なんじ」と読める。

全然関係ないけど「爾」という字を見るとどことなく仏教の雰囲気を感じて、曼荼羅的なビジュアルを連想してしまう。

10. 恩師の萱堂は高齢であられる。

萱堂(けんどう)は、母を敬って言う語。その昔、中国では主婦の部屋を北堂といい、そこに萱草(かんぞう)を植えたことに由来する。

萱草はワスレグサとも言うが、ワスレナグサとは別物らしい。ややこしすぎる。

11. 碧蓮小池を蓋って蛙声喧し。

蛙声(あせい)は、読んで字のごとくカエルの鳴き声のこと。ちなみに「蓋って」は「おおって」、「喧し」は「かまびすし」と読む。難読漢字の欲張りセットである。

12. 楓葉萩花秋索索たり。

萩花てきか、てっか)は、これも読んで字のごとくオギの花のこと。「楓葉」は「ふうよう」、「索索」は「しつしつ」と読み、風が寂しく吹く様を指す。

ひとまずこれくらいで。

IMEが「うんい」とか「せいぼく」とか「あせい」とかを正しく変換してくれないあたりに、レベルの高さが現れている。もうこのレベルまでくると日常生活での使用機会ゼロなのでは...?

さて、この語彙力増強シリーズ、いつまで続くかな。