どくとる・めも

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【有機化学】Wolff-Kishner還元【人名反応】

久しぶりにケミカルな内容で。Wolff-Kishner還元を取り扱う。筆者は有機合成をメインにやっているわけではないのだが、やはり化学系の学生として、最低限の人名反応は知っておいたほうがよいだろうなという思い。

Wolff-Kishner還元は下図のように、カルボニルをメチレン基に変換する反応である。

まず、酸性条件下でカルボニル基をヒドラジンを反応させて、イミン(シッフ塩基)を得る。カルボニルとヒドラジンの間でよく見られる一般的な反応である。あまり具体的には言えないかつどうてもいい話だが、筆者はヒドラジンにはとてもお世話になっていて、この反応にはとても親近感がある。カルボニル基にプロトンを付加する必要があるからmoderateな酸性条件が理想的と予想される。過激な酸性条件だとヒドラジンプロトン化されて、反応が進行しないだろう。

続けて、得られたイミンを塩基性条件下で処理することにより、反応過程で窒素N2が脱離して、最終的にメチレン基へと変換される。基本的に反応に関与するのは塩基と水のみであり、途中でN2が脱離していくと言うのが興味深い。


この反応はドイツ人化学者Ludwig Wolffと、ロシア人化学者Nikolai Kischnerにちなんで、このようにネーミングされている。なぜ"Kischner"の"c"が脱落した状態で反応名として採用されたのかよくわからないが...

ひっそりとお知らせ

本ブログの姉妹版として、Bloggerの方でもブログ(Doctoral Scribble)を開設しました。こちらは全部英語でやっていく予定です。姉妹版の第一弾としてWolff-Kishner還元を扱ったので、その内容をそっくりそのまま和訳してお届けしました。反応機構が黒背景に白文字なのも、もう一方のブログのデザインがそうなっているせい。

今回はわりとあっさり短めだが、また次回。