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【高校英語】文法・語法その3

高校英語の文法・語法の復習、第3回。

今回も「英文法標準問題精講」から、誤文訂正問題を扱う。

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以下の文には全て、文法的な誤りが含まれている。それを指摘し、正しい英文に修正しよう。


1. I don't know if it rains, but if it will do, I shall stay at home.

正直こんな問題を扱うなと怒られそうなレベルだが、条件や時を表す副詞節の中では未来形の代わりに現在形を、未来完了の代わりに現在完了を用いる。この文を見ると、"know if it rains"のif以下はknowの目的語、すなわち名詞節として機能している。しかし現実にはまだ雨は降っていないから、これは未来形に直すべきである。
一方、"but if will do"は「もし雨が降るなら」という条件を表す副詞節である。先に述べた理由により、これは現在形にしなければならない。
よって、”I don't know if it will rain, but if it does, I shall stay at home.”が正解。


2. My father, whom I expected would help me, did not appear.

whoとwhomを、主格および目的格の関係代名詞として区別することを問うている。この誤文訂正には2つの回答があり得るだろう。ひとつは、”I expected”を挿入句であるとみなし、whomをwhoに変える方法。すなわち"My father, whoI expected would help me, did not appear."となる。
しかしexpectは、人を目的語にとってSVO to doの形で用いることもできる。なので、"My father, whom I expected to help me, did not appear."としても、これは正しい英文になる。expectの目的語であるmy fatherが、先行詞として前に出た形になっている。


3. I object to be treated like this.

object to/against/about + 名詞の形で、「~に反対する」となる。したがって、to以下を名詞にしなければならないから、これは"I object to being treated like this."が正解となる。


4. She takes great pride of her beauty.

これも受験英語のお決まりのような問題だが、「~を誇りに思う」という表現は多岐に渡り、かつそれぞれで用いるべき前置詞が異なる。

  • pride oneself on → She prides herself on her skill in cooking. (彼女は料理の腕を自慢している)
  • take pride in → His heart was not in his work, nor did he take any pride in it. (彼の心は仕事の方には向いていなかったし、その仕事に何の誇りも感じていなかった。)
  • be proud of → 例文省略

さて、問題文に戻るとtakeが使われているから"take pride in"の形に直すのがよいであろう。よって、”She takes great pride in her beauty.”が正解。また、prideは不可算名詞として扱うので注意。


5. I asked many questions to him.

日本語から短絡的に英訳することの危うさを教えてくれる問題である。「『~に』尋ねる」というところを意識してtoを使いたくなるが、これは不適切で、正しくは”I asked many questions of him.”もしくは”I asked him many questions.”となる。


6. There was scarcely no water in the jar.

scarcelyやhardlyといった準否定語は、noやnotと併用してはならない。正しくは”There was scarcely any water in the jar.”となる。

これについては以下のページで丁寧に解説されている。
gokujou-eigo.com


7. Caesar was a general, a write, and a statesman.
冠詞の用法を問われている。これは正解を先に言うと"Caesar was a general, write, and statesman."なのだが、なぜこうなるかと言うと、generalもwriterもstatesmanもCaesarのことを指しているからである。そういう場合には冠詞を省略してもいい。

逆に、並列される名詞が別々の存在を指している以下のような文では、冠詞は省略できない。

There were a red and a white bun in the box.
箱の中身は、紅白饅頭だった。(赤と白一個づつ)
参考: 冠詞の反復: 行列のできる英語ブログ

generalは名詞として使われると「将軍」という意味を持つことも併せて覚えておきたい。


8. He said that Europe was separated from America by the Atlantic Ocean.

これも正解から言うと"He said that Europe is separated from America by the Atlantic Ocean."となる。ヨーロッパとアメリカが大西洋で隔てられているというのは、普遍的な事実であるためだ。

地質学的な時間スケールで見たら必ずしもそうではないと思うんだけど、そのあたりどうなってんでしょーね?


9. The class entered into the room.

この文は「クラスメート達はその部屋に入った」ということを意味しているであろうから、intoは不要となって"The class entered the room."が正解となる。discuss aboutやreach atがNGなのと同じ理屈だ。恥ずかしながら、classが「クラスの生徒たち」という意味を有することを知らなかったので、初見だとかなり混乱した。

ただしenter intoという表現が無いわけではない。以下のように「始める、従事する、(感情・考えなどに)立ち入る」という意味で使われることがある。

enter into business→実業界に入る
I tried to enter into the spirit of the occasion. →私はその時の気分に浸ろうと努めた.

いずれにせよ、roomのような具体的な場所に立ち入る場合にはintoは不適切ということだ。


今回は9問。お疲れ様でした。